![]() 水素化マグネシウムに基づく水素吸蔵材料
专利摘要:
本発明は、水素化マグネシウム及び膨張天然黒鉛を含む圧縮材料並びに(i)粉末化マグネシウム又は水素化マグネシウムが粉末化黒鉛と混合される工程及び(ii)混合物が圧縮により成形される工程を含む、そのような材料の調製方法に関する。本発明は、そのような材料の水素吸蔵のための使用並びに(a)上述の材料が好適な水素タンク中に置かれる工程、(b)前記材料が、材料による水素の吸収を可能とする圧力及び温度条件で、水素圧力下に置かれる工程、及び(c)材料の脱着を可能とする圧力及び温度条件で、材料から水素が脱着される工程を含む、水素の吸蔵及び吸蔵からの放出の方法にも関する。 公开号:JP2011508659A 申请号:JP2010537497 申请日:2008-12-10 公开日:2011-03-17 发明作者:オリーブ,レジ;シェセ,アルビン;ドゥランゴ,パトリシア;フルシャール,ダニエル;ミラグリア,サルバトール 申请人:サントル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシェサイアンティフィク(セエヌエールエス);ユニベルシテ ジョセフ フーリエ; IPC主号:B01J20-04
专利说明:
[0001] 本発明は、水素の可逆的な吸蔵に使用される材料に関する。より詳細には、本発明は、水素吸蔵のための水素化マグネシウムに基づくコンパクトな複合材料及びその調製方法に関する。] 背景技術 [0002] 水素は、多くの工業分野に使用され、特に燃料として(例えば、ヒートエンジン又は燃料電池)、又は試薬として(例えば水素化反応用)使用される。この枠組の中で、気体状態のその体積と爆発性を考慮に入れると、嵩が減り安全に封じ込める形態で水素を吸蔵することが望ましい。] [0003] 1つの可能性は、水素を金属水素化物の形態で吸蔵することである。この場合、吸蔵される水素は、原子形態の水素の結晶格子中への取込み(吸収反応又は充填反応)を起こす圧力及び温度条件で、金属又は金属合金と接触させられる。このように吸蔵された水素を回収するには、逆反応(脱着反応又は放出反応)を促進する低圧及び/又は高温の条件が利用される。水素が一旦充填された後吸蔵材料が放出できる水素の最大量に相当する、質量パーセントで表される「可逆的吸蔵能力」が測定できる。水素化物の形態での水素の吸蔵に関する詳細には、"Hydrogen in Intermetallic CompoundsI and II",L.Schlapbach著、Springer Verlag(1998)を参照できる。] [0004] 水素化マグネシウムは、特に有利な水素化物の選択肢である。それは、水素吸蔵能力が高く(7.6質量%)、液体水素と同等な体積密度を持つ。さらに、豊富であり、安価であり、完全に再利用可能である。さらに、サイクル中に水素下で徐々に分解する傾向があり吸蔵能力が低下するLaNi5又はラーベス相など従来の三元系水素化物よりも、マグネシウムは安定である。] [0005] A.Rodriguez Sanchez(Int.J.Hydrogen Energy 28,2003,515)は、特に水素吸蔵のための、金属水素化物(ニッケル水素化物LaNi5Hx及び含チタン鉄鉱石水素化物)の床中の熱伝達マトリックスとしての膨張黒鉛の使用を報告している。] [0006] しかし、A.Rodriguez Sanchezにより記載されたものなどの金属水素化物と、イオン結合(ionovalent)半導体挙動を有する化学的な水素化物である水素化マグネシウムとの間には大きな違いがある。金属水素化物は基本的に挿入水素化物であり、水素原子は「小さな」格子間部位を占める(格子間部位の平均直径は約0.8Åである)。これらの部位は、対応する合金又は金属中にある。M−H結合は、s性の水素結合電子が金属の伝導帯に寄与するため金属性である(金属には電気伝導という特徴がある)。「非金属」又はイオン性共有結合(ionocovalent)の水素化物は基本的に半導体である。原子価結合はs性を持たず、むしろp性である。この結合はイオン性を有する。典型的には、化合物Mg2H2は化学的な水素化物である(イオン性共有結合、したがって金属不導体)。これは挿入水素化物ではない。マグネシウム金属は、六方晶構造であるが、化合物Mg2H2は立方晶構造である。「金属」イオンと水素イオンとの結合ははるかに強い。] [0007] この違いは実用上の重要性を持つが、その理由は、水素化温度が、金属水素化物では室温であるが、マグネシウムでは300℃に近く、他のイオン性共有結合の化学的水素化物ではさらに高いからである。] [0008] 金属水素化物は、ある回数の水素吸収/脱着サイクルの後にデクレピテーション(decrepitation)現象を起こしやすい。デクレピテーションは金属粒子構造程度へ大きさが低下する現象であり、金属水素化物と金属との密度の差により水素化の最中に誘起される機械的ストレスから生じる破砕による。このデクレピテーションは、ある回数のサイクル後の水素吸収/脱着性能の低下の根元であろう。このデクレピテーション現象は、水素化マグネシウムの場合には観察されない。マグネシウムは延性があり、したがって水素化により引き起こされる機械的ストレスに、よい容易に適応する。水素吸蔵のための水素化マグネシウムの性能を最適化するため、多くの研究プロジェクトが現在実施されている。] [0009] しかし、イオン性共有結合の非金属系である水素化マグネシウム粉末の熱伝導度が低いので、熱の流れの管理が困難である。水素化反応は非常に発熱性であり、妥当な時間内に水素を充填するために、放出される熱を迅速に除くことが望ましい。他方では、脱着反応は非常に吸熱性であり、熱源がないと自然に中断する。] [0010] さらに、マグネシウムの水素化は、30%程度の大幅な体積増加を伴い、そのため内部の膨張力を生じ、タンクの壁に著しい機械的なストレスをもたらす。] [0011] さらに、粉体化水素化マグネシウムは、吸蔵可能体積(storage volume capacity)が低く、取扱いが難しい。] [0012] 吸収及びMgH2からの水素の脱着の速度の向上に、重要な仕事がなされた。] [0013] 例えば、国際公開第2007/125253A1号は、チタンと、バナジウムと、クロム又はマンガンとに基づく体心立方構造(centered cubic structure)の合金との同時粉砕によるMgH2の活性化を記載している。得られる粉末は、水素の吸収及び脱着の速度の面で非常に高い性能を示すが、反応性が非常に高く、空気中で突然自然発火することがある。] 発明が解決しようとする課題 [0014] 本発明の目的は、言及された欠点のない、特にコンパクトで、特別な注意なしに取扱いでき、機械的強度、熱伝導性、並びに水素の吸収及び脱着の速度の点で良好な性質を持つ水素化マグネシウムに基づく水素吸蔵材料を提案することである。] 課題を解決するための手段 [0015] 本発明によると、この目的は、水素化マグネシウムと黒鉛、好ましくは膨張天然黒鉛(ENG)の混合物を圧縮した形態で含む材料により達成される。] 発明の効果 [0016] この材料は、多孔性が低く、その水素吸蔵可能体積が高い。そのコンパクトな形態は、取扱いを容易にする機械的強度を付与する。] [0017] さらに、膨張天然黒鉛は、マグネシウム粉末又は水素化マグネシウムより半径方向熱伝導度(radial thermal conductivity)が非常に優れている材料の結合を促進する。] [0018] 最後に、前記複合材料は、活性化された水素化マグネシウムとともに調製された場合ですら、突然自然発火する危険性なしに空気中で取扱いできる。] 図面の簡単な説明 [0019] 本発明は、以下の実施例及び図面によりさらに詳細に説明される。 実施例1により得られたペレットの写真。 印加した圧縮力による、実施例1によるペレットの密度測定値及び対応する多孔性。 MgH2粉末で満たされたタンクの充填中に吸収された水素の体積並びにタンクの中心及び周縁で測定した温度。 実施例1により得られたペレットで満たされたタンクの充填中に吸収された水素の体積並びにタンクの中心及び周縁で測定した温度。 分割棒の原理(divided bar principle)による、熱伝導度の測定ダイアグラム。 黒鉛含有量の異なる、実施例1により得られた材料の半径方向及び軸方向の熱伝導度。 吸収及び脱着条件を決めることのできるMg−MgH2平衡曲線。] [0020] 第1の態様によると、本発明は、水素化マグネシウム及び膨張天然黒鉛を含むコンパクトな材料を提案する。] [0021] 本明細書で使用される「水素化マグネシウム」という用語は、前記方法の工程によると、水素が部分的又は完全に充填されているマグネシウムも含む。] [0022] 本明細書で使用される「圧縮材料」という用語は、それぞれの分割された原料の密度より著しく密度の高い固形体を意味する。この材料は、詳細には、原料の混合物を圧縮して得られる。一般的に、密度は、分割された原料の密度より少なくとも100%高いだろうが、400%高いこともある。] [0023] 本明細書で使用される「遷移金属」という用語は、内殻軌道dが部分的に満たされた原子の状態か、内殻軌道dが部分的に満たされた少なくとも1つのイオンを形成する化学元素を意味する。特に言及されるものには、遷移金属V、Nb、Ti、Cr、及びMnがある。] [0024] 前記材料には、化学反応から生じる化合物が非常に少ないか全く含まれないことが想定される。むしろ、水素化マグネシウム粉末(MgH2)により構成されるか、又はフレークの形態でENGにより形成される「骨格」により構成される複合材料の問題である。圧力の作用の結果として、フレークは、圧縮軸に垂直な面に整列する。] [0025] 水素化マグネシウムは、詳細には不完全な水素化反応により得られる。使用される水素化マグネシウム粉末が、10重量%未満、好ましくは5重量%未満の金属マグネシウムを含むことが有利である。水素化マグネシウムの水素化が完全であるほど、粉末は空気に対して安定になるだろう。] [0026] 好ましい実施形態によると、水素化マグネシウムは、好都合な水素吸収及び脱着の速度を持つように事前に活性化される。この活性化は、詳細には、遷移金属、遷移金属の合金、又は遷移金属酸化物との水素化マグネシウムの同時粉砕により実施できるが、これらは混合物に対し1から10原子%、好ましくは約5%の比率で導入されるのが好ましい。] [0027] 水素化マグネシウムの活性化剤との同時粉砕は、膨張天然黒鉛の非存在下で実施される。膨張天然黒鉛を粉砕すれば、ENGの「骨格」及びフレークが破壊されるであろう。しかし、最終的な圧縮材料に強い異方性を付与するために、フレークの形態のENGの構造が保存されることが好ましい。] [0028] 特に好ましいのは、番号WO2007/125253A1で提出された出願の教示に従い、好ましくは混合物に対し1から10原子%の比率で導入される、チタンと、バナジウムと、クロム及びマンガンから選択される遷移金属とを含む体心立方構造の合金との同時粉砕により活性化された水素化マグネシウムである。] [0029] 活性化された水素化マグネシウムは、粒度が1から10μmの非常に微細な粉末の形態であることが有利である。粉末の各粒子は、約10から20nmの多数のクリスタリットから形成されている。活性化剤との同時粉砕の後、このように活性化された水素化マグネシウムは、ナノメートルスケールの構造を有し、それがクリスタリット間の水素の拡散を促進し、活性化剤の効果とも関連して非常に迅速な水素吸収/脱着速度を得ることができる。] [0030] 本発明によると、黒鉛は、膨張天然黒鉛(ENG)である。膨張天然黒鉛は、化学処理及び熱処理により修飾された黒鉛の一形態である。黒鉛は、疎水性であり、耐熱性であり、熱の良導体であるので有利である。] [0031] 膨張天然黒鉛は、黒鉛に強い異方性を与え、マグネシウム粒子ほどの長距離にわたる熱の伝導を促進するミリメートルサイズの小さいフレークの形態であるので特に効果的である。] [0032] ENG粒子は、直径が500μm程度、長さが数ミリメートルの細長い小虫(vermicule)の形態であると有利である。] [0033] 一軸圧縮の作用の結果として、小虫は、圧縮軸に実質的に垂直に配向する。これが複合材料に強い異方的な熱挙動を付与し、圧縮軸に垂直な熱の伝導を促進する。] [0034] したがって、本発明の材料は、活性化マグネシウムの流動床により得られるものより半径方向熱伝導度が非常に高い。これにより、発熱する水素化の操作中の熱の流れの管理が改善でき、水素再充填時間の大幅な短縮が可能となる。] [0035] 記載される組成物中の膨張天然黒鉛の比率は特に限定されない。ENG5重量%以下の比率を含む、本発明の圧縮材料が、機械的に安定で機械加工できることが示されたが、LaNi5Hxタイプの金属水素化物及び含チタン鉄鉱石水素化物の混合物ではそうではない。] [0036] さらに、本発明の圧縮材料は、ENGの比率にかかわらず均質である。この均質性は、水素化物とENGの密度の違いがわずかなことから生じる。ENGは密度が低く、活性化剤(遷移金属、遷移金属の合金、又は遷移金属酸化物)により活性化された水素化マグネシウムは、同時粉砕の後に粉末性が高く、その結果金属水素化物よりもENGに近い見かけの密度を有する。一例を挙げると、活性化された水素化マグネシウムの密度は、LaNi5Hxの密度の約30分の1である。したがって、LaNi5Hx/ENGのコンパクトな材料の調製は、はるかに困難であり、その均質性はよりランダムである。] [0037] 記載される組成物中の膨張天然黒鉛の比率は、一般的に、最終材料に望まれる熱伝導度により選択されるであろう。その調整は、熱伝導度の増加と、吸収可能質量(mass absorption capacity)の低下との妥協から生じるが、ENGは先験的に水素を化学的に全く吸収しない。最終組成物に対して1から10重量%程度の低含有量でも、熱伝導度を著しく上げることができる(図5参照)。] 図5 [0038] 本発明の組成物は、好ましくは、5から10重量%の膨張天然黒鉛を含むことが有利である。] [0039] 前記材料は、好ましくは、80から99重量%の水素化マグネシウムを含む。] [0040] 好ましい実施形態によると、前記材料は水素化マグネシウム及びENGからなる。] [0041] 好ましくは、前記材料は圧縮により成形される。] [0042] 前記材料は、一般的に、例えばペレット形態など、均一な圧縮を促進する形態にされるだろう。] [0043] 提案される材料は製造が容易で、利用可能な原料を使用し、安価であり、高性能の装置を必要としない。] [0044] また、第2の態様によると、本発明は、水素化マグネシウム及び膨張天然黒鉛を含む圧縮材料を調製する方法であって、 (i)水素化マグネシウム又は粉末化マグネシウムを膨張天然黒鉛と混合する工程;及び (ii)圧縮により前記混合物を成形する工程 を含む方法を提案する。] [0045] 好ましくは、上記の調製方法は、第1に、水素化マグネシウム又は粉末化マグネシウムを、遷移金属、遷移金属の混合物、遷移金属酸化物、及び遷移金属の合金から選択される活性化剤と同時粉砕して活性化する補足の工程を含む。このようにして、前記方法は、活性化された水素化マグネシウム及び膨張天然黒鉛を含む圧縮材料の調製を可能にする。] [0046] 前記材料の製造に使用される水素化マグネシウムは、好ましくは粒度が1から10μmの粉末の形態にある。] [0047] 粉末の混合は、従来の方法、例えばミキサーで実施してよい。それが、室温及び大気圧で実施されるのが好ましい。] [0048] 粉末の混合物の圧縮は、例えばペレット成形機中など、好ましくは一軸圧縮の形態で実施される。] [0049] 特に自然発火性の活性化されたマグネシウムが使用される場合、制御された雰囲気中で混合及び圧縮が実施されるのが有利である。] [0050] 圧縮の際に用いられる力は、特に、材料の望まれる多孔性により選択される。一例を挙げると、1t/cm2程度の圧縮力が、0.3程度の多孔性を持つ材料のペレットを得るのに好適であると判明した。] [0051] 圧縮により、水素化マグネシウムの流動床に比べ、水素吸蔵体積密度(volumetric hydrogen storage density)が増え、機械的強度が向上する。さらに、意外にも、このように得られた材料はもはや自然発火性でなく、したがってより容易に取扱いできる。] [0052] 次いで、成形された材料は、特にタンクに適した寸法とするために、機械加工できる。] [0053] 水素吸収及び脱着の速度など、水素吸蔵に関する材料の他の性質は、材料の成形により大きな影響を受けることはない。] [0054] 記載される材料は、活性化された水素化マグネシウムを含む場合でも取扱いが容易であり、向上した水素吸蔵可能体積を持つ。] [0055] また、第3の態様によると、本発明は、水素吸蔵のための、記載された材料の使用を提案する。] [0056] 最後の態様によると、本発明は、最後に、以下の工程を含む、水素吸蔵及び吸蔵からの放出の方法を提供する: (a)上述の材料を好適な水素タンクに導入する工程; (b)前記材料を、材料による水素の吸収を可能とする圧力及び温度条件で、水素圧力下に置く工程;及び (c)材料からの脱着に相当する圧力及び温度条件で、材料から水素を脱着する工程。] [0057] 水素の充填により放出されるエネルギーが、熱交換器により除去されることが有利である。] [0058] 圧力及び温度条件は、水素化マグネシウムの平衡曲線から容易に決定できる(図7参照)。] 図7 [0059] <実施例1> MgH2/ENGのペレットの調製 制御された雰囲気下のグローブボックス中に設置された好適な密閉ミキサー中に、平均粒度1から10μmの活性化された水素化マグネシウム粉末(MCPMG Serbien又はMCPHy Energy SAから市販)47.5gを、2.5gの膨張天然黒鉛粉末(ENG、長さ数ミリメートルの粒子の形態の平均粒度(SGL Technologies GmBHから市販))と注意深く混合する。] [0060] 次いで、粉末の混合物(50g)を、やはりグローブボックス中に設置された硬化鋼ペレット成形機のダイに注ぐ。密閉した袋中でペレット成形機をグローブボックスから出し、プレスの下に置く。] [0061] ペレット成形機中に置かれた粉末を、1t/cm2(108Pa)程度の強さを持つ一軸圧縮により圧縮する。] [0062] 数分間空気中で取扱いできる、外観が固体黒鉛に近く直径が8cmである灰色でコンパクトな材料のペレットを回収する。それでもやはり、加熱と表面酸化の危険性を避けるため、複合材料を制御された雰囲気中に保存することが好ましい。] [0063] 得られた異なるペレット中の材料の密度を、秤量及び寸法測定により計算した。多孔性は、理論的密度及び測定された密度から計算した。結果を図1に示す。] 図1 [0064] ペレットは機械的強度があり、通常の状態、すなわち詳細にはグローブボックス外で水素タンクに導入する目的で取扱いできるほど酸化に関して十分安定である。] [0065] 得られたペレットの機械的強度は非常に高い。したがって、例えば、ペレットの外径をタンクの直径に合わせて調整したり、加熱素子及び熱電対を挿入するための穴を開けたりするために、ペレットを機械加工することが可能である。同様に、水素のサイクルを繰り返した後、亀裂やタンクの底での微細な粉末の蓄積は見られない。] [0066] ENGが存在するので、圧縮材料の結合が促進される(図2)。ENGなしで調製したペレットは壊れやすく、その後の機械加工ができない。] 図2 [0067] <実施例2> MgH2/ENGの用途試験及びMgH2との比較 実施例1で得た材料の水素吸蔵用途における性質を評価し、粉末の活性化された水素化マグネシウムの性質と比較した。] [0068] 実施例1で得たMgH2/ENGペレットの直径を、機械加工により8cmから7cmにした。250gのペレットを、内径7cm容積270cm3のステンレススチール円筒状タンクに導入した。タンクには加熱手段が備えられていた。次いで、タンクを300℃に加熱し、8バールの水素圧下に置いた。] [0069] 吸収された水素の体積を、流量計により3時間記録した。タンクの中心及び周縁に設置したプローブにより、温度を追跡した。] [0070] 実施例1のペレットを、110gの活性化された水素化マグネシウム粉末に替えて、同じ実験条件で試験を実施した。] [0071] 図3及び4は、吸収される水素の体積が、粉末の場合での65NL(標準リットル)からペレットの場合での170NLに増加することを示す。したがって、粉末の圧縮は、材料の水素吸蔵可能体積を2倍以上にすることができる。図5と比較すると、材料の質量、したがって除去すべき熱の量が約2.5倍増えるが、圧縮材料の方が充填が迅速であることがさらに示される。] 図3 図5 [0072] ペレットの場合(図3参照)及び粉末の場合(図4参照)でタンクの中心及び周縁で測定された温度を比較すると、本発明の材料の内部で温度がはるかに均一であることがさらに示される。] 図3 図4 [0073] これらの結果は、記載された材料が、水素吸蔵材料の半径方向熱伝導度及び体積吸蔵能力を大幅に向上できることを示している。] [0074] ENGの含有量を変えて調製したサンプルで、熱伝導度を測定した。測定は、分割棒の原理に基づく従来の連続使用測定ベンチで実施した(図5参照)。試料を、2つの標準部2a、2bの間に、断熱材3に囲まれた状態で置き、全体は各側面がホットプレート4又はコールドプレート5に接触している。プレート間の距離に応じて温度を測定するため、熱電対6を各標準部及びサンプルに挿入する。] 図5 [0075] 測定中のサンプルの平均温度は30℃程度である。0%、5%、及び10%(それぞれENGの重量で)を含む3種の組成物を試験した。このために、「小さい棒」を、ペレットの面(半径方向測定、図6の実線で記入)及び圧縮軸に沿って(軸方向測定、破線)切り出した。] 図6 [0076] 結果を図6に示したように、試験した含有量では、熱伝導度がENG含有量に比例する。非常に強い異方性の挙動も観察される。半径方向伝導度はENG含有量とともに非常に迅速に増加するが、軸方向伝導度はENGの存在によりわずかしか影響されない。] 図6 [0077] さらに、上述の材料は空気との反応性が低く、取扱いがより安全であり、特に水素化物によるタンクの充填を容易にする。] 実施例 [0078] その非常に高い機械的強度により、タンクの形状に適合するように、例えば熱交換器を通過させるために、部品の機械加工も可能となる。この機械的強度は、水素下のサイクルの間でも持続するので、粉末の堆積及び/又はデクレピテーションに関連する機械的ストレスの問題を回避できる。]
权利要求:
請求項1 水素化マグネシウム及び膨張天然黒鉛を含む圧縮材料であって、前記水素化マグネシウムが、遷移金属、遷移金属の混合物、遷移金属酸化物、又は遷移金属の合金との同時粉砕により活性化されている圧縮材料。 請求項2 前記水素化マグネシウムが、チタンと、バナジウムと、クロム及びマンガンから選択される遷移金属とに基づく体心立方晶構造の合金との同時粉砕により活性化された、請求項1に記載の材料。 請求項3 圧縮により成形された、請求項1又は請求項2に記載の材料。 請求項4 80から99重量%の水素化マグネシウムを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の材料。 請求項5 1から20重量%の黒鉛を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の材料。 請求項6 水素化マグネシウム及び膨張天然黒鉛を含む圧縮材料を調製する方法であって、(i)水素化マグネシウム又は粉末化マグネシウムを粉末化膨張天然黒鉛と混合する工程;及び(ii)圧縮により前記混合物を成形する工程を含む方法。 請求項7 水素化マグネシウム又は粉末化マグネシウムを、遷移金属、遷移金属の混合物、遷移金属酸化物、又は遷移金属の合金と同時粉砕して活性化する先行工程をさらに含む、請求項6に記載の調製方法。 請求項8 圧縮がペレット成形機で実施される、請求項6又は7に記載の方法。 請求項9 成形された材料が次いで機械加工される、請求項6から8のいずれか1項に記載の方法。 請求項10 請求項1から5のいずれか1項に記載の材料の、水素吸蔵のための使用。 請求項11 以下の工程を含む、水素吸蔵及び吸蔵からの放出の方法:(a)請求項1から5のいずれか1項に記載の材料を好適な水素タンクに導入する工程;(b)前記材料を、材料による水素の吸収を可能とする圧力及び温度条件で、水素圧力下に置く工程;及び(c)材料からの脱着を可能にする圧力及び温度条件で、材料から水素を脱着する工程。 請求項12 水素の充填により放出されるエネルギーが、熱交換器により除去される、請求項11に記載の方法。
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同族专利:
公开号 | 公开日 BRPI0820137A2|2015-05-12| CN101970343A|2011-02-09| AU2008339808A1|2009-07-02| EP2244970A2|2010-11-03| IL206302A|2015-07-30| WO2009080986A3|2009-09-03| AU2008339808B2|2013-08-22| WO2009080986A2|2009-07-02| FR2924707A1|2009-06-12| CA2708518A1|2009-07-02| US20100266488A1|2010-10-21| IL206302D0|2010-12-30| EP2244970B1|2017-05-24| FR2924707B1|2010-12-24|
引用文献:
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